フランスに来てから大変なことばかりだが、ほぼ朝は目覚ましをかけずに起きられるのが嬉しい。ただ、色々と家事やって手続きやって買い物して、としていたらなかなか集中して研究をするまとまった時間を取るのも難しい。バイトをしていないので、これでもかなりマシな方だが。ただでさえフランス語での研究なので、日本語でこなしていた時よりもいちいち時間がかかるのだ。
今日はDeyrolleという動物の剥製屋さんに行った。昔家族とフランスに来た時にも寄って、アトラスオオカブトか何かの剥製を買ってもらった思い出がある。長く実家に置いてあったが、最後はボロボロになって虫も湧いてしまい、捨ててしまった。買った時は6歳か7歳くらいだったと思うが、旅行ガイド本のようなものに書いてある注文の時の表現を事前学習しておき、欲しいものを指さしながら「しるぶぷれ」と言った記憶がある。
店内は記憶に微かに残っているのとは異なっていた。記憶ではもっと小さな店で、暗い店内に明かりがさしており、客も自分たちしかいなかった。今になって行ってみると、1Fは服やら帽子やら、キノコ刈りの道具やらのグッズコーナー、2Fが本格的な剥製・標本コーナーになって広々としていた。この20年ほどの間に建てかえたのかどうかは分からない。今度聞いてみよう。一通りゆっくりと店内を見通して、お土産に良さそうなものを記憶しておく。雨が降っていて持って帰るのが大変そうなので、今日は買わない。
店員に梱包や配送のことなど聞いたのだが、ちょっとした会話でもペラペラと話されるとちゃんと聞き取れない。会話になるとおそらく、相手の顔を見て対応することに気を取られて言葉に集中できなくなるのだと思う。ん?と聞き返すと、英語は話せるか、と聞かれる。コイツはフランス語はダメだと思われると、すぐに英語に切り替えられるのは前々から嫌だと思っていたので、今日は試しに「Non」と言ってみた。こっちのわがままを言わせて貰えば、もっとゆっくり話してくれさえすればフランス語で全然オッケーですよ、というスタンスなのだ。
さてフランス語だけでどうにかする時間だぞ、と意気込んだのだが、相手は僕が日本人であることを確認すると、iPhoneを持ってきてGoogle翻訳にフランス語文を書き込み、即時日本語文に翻訳されたものを見せてきた。なるほど、そうきたか。
でも、英語に切り替えられるよりはマシだったんじゃないか、と後で帰りながら考えた。翻訳機は使ったけど、とにかく日本-フランスという間柄でコミュニケーションしたのだ。それはもちろん悔しかったけれども、安易に英語を媒介させるよりも真実だ、という気がした。
コメントを残す