2025/1/30

大江健三郎『燃え上がる緑の木』。地方信仰とキリスト教信仰とがミックスされたような主題。「魂のこと」に従事したいという内的な欲求から隆は地元の信仰共同体を担って立つこと、すなわち「ギー兄さん」として生きることを決意する。神聖な山があったり、呪術師のような「オーバー」がいたりとローカル宗教的な素材を扱いながら、おそらく芯には身体と霊魂の問題、修道的な生き方の希求といったキリスト教的な主題がある。それはキリスト教がその土地で発達させたような精神的な信仰、自己への配慮を、日本人が日本の中で、日本的にやることが可能かどうか、という問いでもある。キリスト教が本当に普遍宗教かどうかという問いでもあり、日本から普遍宗教が出るかという問いでもある。

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