2024/12/9

ラカン:Folies simultanées, paru dans annales médico-psychologiques, 1931 (Signé par MM. Henri Claude, P. Migault et J. Lacan.)の翻訳作業終わり。

母娘における「Folies simultanées」を2事例報告している。妄想の内容や、その客観的な状況、身元、身体検査結果や健康状態などが無機質に書き記されている。迫害されているとか、電気の影響を受けているとかの、典型的な内容になっている。第二事例の娘の妄想が興味深い。

「彼女は「緑の目を持つ四頭の存在」である。彼女がその考えに至ったのは、自分の血液が香りを放つためである。彼女の皮膚は高温になると金属化して硬くなり、真珠のようになり、宝石を生み出す。彼女の生殖器は唯一無二で、花のように「めしべ」があると言う。彼女の脳は他人の4倍の力を持ち、卵巣は最も強靭である。彼女は世界で唯一、身だしなみを整える必要がない女性である。」[PE 30-31]

また、

「彼女は奇妙な行動を自認している。例えば、生理の血でスープを作り、「毎日少しずつ飲む。これは滋養強壮剤だ」と言う。また、彼女は密閉された瓶を持参し、その一つには便、もう一つには尿が入っており、奇妙な刺繍を施した布で包まれていた。」[PE 32-33]

等々。母と娘は妄想を共有している部分もあれば、していない部分もある。二人の間には愛憎関係があって、第一の例も第二の例も、娘が母親に対して優位。母親はしばしば娘を恐れていた。

最後簡潔に記された要約は以下。

 要約すると、これら二つの症例において以下の点が際立っています。
1° 直接の系譜における遺伝的要素が存在し、精神病的な欠陥が類似する形で強化されていること。2° 社会的な孤立が、感情的な混乱を引き起こした可能性があること。3° 妄想の進行が独立しており、相互批判の可能性があること。これは現実との接触がどの程度保たれているかによって測定できる。
 妄想の分析と分類の観点から見ると、ゴル家の母親の妄想は直感的で、押し付けがましく、あまり論理的でない解釈が特徴的であり、彼女自身がその体系を正当化するのに苦労していると感じている点と対照的です。
 娘の妄想は、極度の自己中心性という点で興味深く、周期的な回帰や再生(連続する復活)の直感が見られる点でも注目されます。これらは特定の種類のパラノイア型妄想によく見られる特徴です。
[PE 35]

次はラカン:Structure des psychoses paranoïaques, PARU DANS LA SEMAINE DES HÔPITAUX DE PARIS, 1931、へ進む。

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